Dead by Daylight(デッドバイデイライト、DbD)初の日本人キラー「スピリット」。彼女の過去と元ネタやモデルについて紹介します。
目次
スピリットの基本情報
性別:女
出身:日本
根城:山岡邸
武器:折れた刀
能力:山岡の祟り
声優:Gabrielle Murphy
よく間違えられていますが、名前の漢字は【凛×】ではなく【凜◯】です。
スピリットの過去・背景・生前・ストーリー
凜は山岡家の一人娘だった。彼女が育ったのは、香川県にある昔ながらの寂れた家屋。凜は私立の高松大学で教育学を学んだが、傾きかけた家計にとってこれは重い負担となった。また、同年に母親が病気になったことで、借金はどんどんと膨れ上がった。凜は少しでも家計を救おうとバイトに励んだが、負債額が減ることはなかった。日々増えていく借金。凜の父親は、その状況を打破すべく、勤務時間を倍にして働き始め、昇進を目指した。しかし、その頃から彼は睡眠不足に悩まされるようになった。絶望的な状況を突きつけてくるような悪の囁きに毎晩うなされるようになったのだ。疲れ果てた彼は、今の状況を説明し、ボーナス、前払い、休みなど、あらゆるものを乞うてみたのだ。しかし、彼の欲求は拒否された。彼の働く会社は、その頃、製品ラインの一部に欠陥が見つかり、寛大な損害を出していた。誰かが責任を負わざるを得ないその状況で、凜の父親に白羽の矢が立ってしまったのだ。 結果、彼は22年間勤め上げた会社から呆気なく解雇された。その晩、凜は仕事を終えて帰宅した。いつもレストランに遅くまで残っては、客の相手をしていたのだ。自転車を倉庫に止めていると、屋内から母親の悲鳴が聞こえてきた。凜は家に駆け込み、階段を登って両親の部屋に向かった。床には、母親のバラバラの死体が散らばっていた。すっぱりと切り落とされ、不自然に絡まりあう手足。切り開かれた胸郭が飛び出た胸部。凜は思わず吐きそうになった。その時、凜に向かって鋭い刀が振り下ろされた。とっさに刃を腕で食い止めた凜。剥き出しの前腕に刀が刺さったが、目の前の衝撃的な事実に、痛みなどどこかへ吹っ飛んでしまった。険しい表情で刀を手にしているのは他の誰でもない、父親だった。彼を止めようと思った凜は大声で叫んだが、父親は再び彼女の腕を切りつけた。慌てて逃げ出そうとした凜は、床に飛び散った血で足を滑らせてしまった。戸の枠につかまり、凜が立ち上がると、刀は壁を突き破り、彼女のもう一方の腕を裂いた。凜は苦痛に叫び、廊下へとよろめき出たが、再び父の刃が襲い掛かってきた。彼女は震えながら、切られた柔らかな腹部を抑え、後ずさった。母親の絡まり合った四肢の映像が脳裏をよぎる。その瞬間、凜は父親に突進し、彼を後ろからよろめかせた。それでも父親は、凜の切り裂かれた腹部を殴りつける。あまりの痛みに倒れ込む凜。彼女が必死に立ち上がろうとすると、父親は今度は彼女の腿を切りつけ、彼女を床に倒れ込ませた。凜が階段の方に這っていこうとすると、父親は彼女の髪をつかみ、彼女の頭を障子に突っ込んだ。その衝撃でガラスも割れ、彼女は障子を突き抜けて1階まで落ちてしまった。上の階から聞こえてくる足音。凜は必死に動き、割れたガラスだらけの床を這っていった。ガラスの破片が体に食い込み、肉を裂く。「父親を止めなければ。」そう思った凜。彼女や母親へのこの仕打ちを絶対に許すわけにはいかなかった。吐血する彼女の顎をガラスがかすめ、さらに血が流れた。凜の耳には、だんだんと低い心音が響き始めた。体はあまりにも重くなり、もはや動くことはできなかった。父親の足音で揺れる地面。彼女はもう自分が助からないと分かっていたが、そんなことは問題ではなかった。今世であろうと来世であろうと、彼女は必ず復讐を果たすことを心に決めた。暗い霧がゆっくりと彼女の目の前を覆ったが、それは彼女の憤怒を鎮めることはできなかった。死なない──まだ死ねない。流血と復讐を約束するように、闇がそう囁いた。そして心に誓いを立てた凜は、ゆっくりと目を閉じた。スピリット キャラクター情報 背景より
膨れ上がった借金によって狂った父親に殺されてしまった山岡 凜。
高松大学は実在する香川県にある大学ですが、教育学部はありません。
凜公開前の映像。斬った男が新キラーだと普通考えますが、殺されたのが凜であり、斬った側の男が父親なことが背景を読めばわかりますね。
スピリットの学術書 – 血に染まって「記憶:山岡凜」
記憶5100~5104をまとめたものです。
凜は学校の終わりを恐れて机に座っている。中学校が楽しいからでも、先生のことを尊敬しているからでもなく、剣道を学ばされるのが嫌だから。だが父がそれを要求する。
父は凜に剣の道を実践するように命令する。実践だけではない。卓越。凜は山岡家の一員だ。山岡家には誇るべき遺産がある。侍の遺産。父は凜にこれを毎日教え、そして子どもたちは毎日凜をからかい馬鹿にする。道場に来るなと。竹刀ではなくほうきを持てと。凜は彼らを無視し、最大限努力する。彼女が剣の道で上達すれば、父の機嫌も良くなるかもしれない。
最近父は彼らしくない。苛ついている。短気。直情的。凜にも、母にも、どうすることもできない。父はとても物静かになり、独り言が増えた。父に何が起きているのか凜にはわからない。だが父が苦しんでいるのは知っているし、父をさらに苦しませるのは嫌だ。家族がすべて。いつか刀を持つのも嫌にはならないかもしれない。むしろそれを楽しめるかもしれない。
胴着の重さで凜の骨がきしみを上げ、崩れそうになる。凜は竹刀を対戦相手に向ける。さっさと終わらせよう。早く終わらせてよ。相手は凜を侮辱する。彼は、更衣室に割れた窓があって誰かが怪我をする前に凜が片付けろと命令する。山岡清掃員。彼は笑う。彼は凜をネタに清掃員ジョークをもう1つ言う。
凜の顔が急に熱を帯びる。竹刀を彼の喉から体まで突き立てたい。竹と破片が腹を貫いた状態で、あいつがどう笑うのか見てやろう。破片が喉を切り裂く?そんな考え、どこから来た?こんなことを考えるのは自分らしくない。竹刀を構えると体の中に奇妙な感覚を覚える。こんな感覚は今まで感じたことがない。まるで…まるで心の中で龍が目覚めたような。
凜はニヤニヤと笑う対戦相手を見つめる。考えるより速く、凜は飛び出し、相手の頭を打ち据える。皆が彼を笑う。彼の頭は敗北と屈辱が混じり合い項垂れている。少年は信じられないように、大きく見開かれた目で凜を見つめる。彼は瞬きする。君も山岡一族なんだな。
凜は認めたくなかったが、だが…勝つのはいい気分だった。違う。勝つのではない。相手を叩きのめす。他の人間を叩きのめす。他の人間を叩きのめす?どうしてこんなことを考える?私はこんな風に考える人間ではない。だが、確かに自分がそう考えたのだ。
何が起きたのか凜は理解できない。
目の前の少年と戦う力を凜にもたらしたのが何なのか。彼はもう笑っていない。彼は凜を睨みつけている。凜は彼を倒した。一度ではなく。二度ではなく。三度も。少年たちは口を開けて凜を見続けている。山岡清掃員の中で、何かが変わり始めている。少年たちは気づいている。凜は気づいている。
凜は、心の中で目覚めつつある龍を感じている。剣士として…兵士として…山岡一族として存在することに近い感覚…そしてその感覚は心地よい…尊敬を受けるのが…認められるのが。凜は一瞬、自分が偉大な山岡錬次郎とその息子華山の側に立っているのを想像する。心の中で何かが動き、龍が蠢く…そして龍…彼女は気づく…滾る山岡家の血が目覚めているのだ。
山岡清掃員!運が良かったな!その運がまだ尽きていないか、試してみようぜ!少年たちが凜に近寄る。罵りながら。冷やかしながら。叫びながら。凜は逃げたいが、隙がない。
凜は謝ろうと考えるが、心の中の目覚めた龍がそれを許さない。凜は悪いことは何もしていない。凜には謝る理由がない。凜はするべきことをようやくしただけなのに、少年たちは凜がズルをしたとして近寄る…まるで凜を助けた龍が見えたかのように。凜は恐れた。龍はどこ?祖先の魂はどこ?凜は手を上げ、いじめっ子たちにやめるように懇願する。
仕返ししてやる!バカにしやがって!一瞬二人の少年の間に隙間が見える。躊躇う暇はない、行動するのみ。凜は間を駆け抜け、怒れる少年たちの一団に追われながら、校庭を横切る。凜はゴミ箱の影に素早く身を潜めると、その横を駆け抜けていく少年たちを見る。
一人立ち止まる…ゴミ箱に向かう…目が細まる。凜は息を潜める。心臓の音が頭の中で響く。
なぜ隠れる!?あの蛆虫どもよりずっと強いのに!立ち上がれ、そしてお前の姿をあいつらに見せつけろ!
だが凜は隠れたまま。凜は隠れ、目覚めた龍が眠りに戻るのを願う。
凜は隠れ場所から出て、長い帰路につく。心の中の龍は隠れたことを叱る。凜はいじめっ子たちよりも強いと。いじめや嫌がらせに委縮してはならないと。
凜は何をすればよかったのか。どう考えればよいのかわからない。向き合うべきだったのかもしれない。立ち向かうべきだったのかもしれない。奴らを打ちのめして、手足を引きちぎるべきだったのかもしれない。手足を引きちぎる?何を考えているんだ?どこからこんな考えが来た?引きちぎる?なんて残酷な考えなんだ。
だが凜が自分の疑問に答える前に、声が聞こえてくる。聞こえてきたのは…いじめっ子が冷やかしたり侮辱したりする声。凜は振り返らない。凜は逃げない。凜は逃げない、なぜなら次に起こることは予想しているし、気にしないから。凜の中の龍が、何も問題はない、と告げる。
少年たちは凜にゴミを投げる。山岡清掃員!山岡清掃員!山岡清掃員!
次に何が来るかはわかっている。かつての侍のように、心の眼で見える。少年たちは凜を押し倒すだろう。囲むだろう。殴り、蹴るだろう。だが今回は、痛みに屈したりはしない。恐怖で麻痺したりなどしない。恐怖と苦痛を龍の糧とするのだ。今日、いじめっ子たちは爪と牙を味わうだろう…彼女の怒りを…そして心に刻むのだ…凜は山岡一族であると!
スピリットに関する記述集
山岡邸は過去の栄光の面影を残してはいたが、家族の住居は崩れかかっていた。この家屋に住み続けるには幾度にもわたる修繕が必要だった。
山岡家の最後の代は生活苦に喘いでいた。家計はあまりに苦しく、娘が大学に入学すると、その状況はさらに悪化した。そのわずか数か月後に、母親が病気になってしまったのだ。大学の授業料と医療費を一人で負担する父親はどんどんと疲弊していった。
家族で何とか生活していくために、彼は家財を売り払った。代々受け継がれた屋敷の壁は、廉価な見苦しい素材で修繕された。
家が無残な姿に変わっていくと同時に、古き怒りが目を覚ました。
山岡邸 – ファミリー・レジデンスより
「怒りこそ彼女に流れる血だ。」
パーク
怨霊の怒りより
「彼女の家は穢された。」
パーク
呪術:霊障の地より
「崩壊した家庭を抜け出すことはできない。あの記憶に付きまとわれなくなるまで逃げるしかない。」
オファリング
山岡家の家紋より
スピリットのメメント・モリ
何度も斬りつける凜のメメントモリ。父親に殺された時と同じ殺し方をしているような気がします。
スピリットの元ネタ・モデル
スピリットは「リング」や「呪怨」を参考にした程度でオリジナルキャラクターであると、開発のMathieu Cote氏が発言しています。
4Gamer:そのステージイベントでも取り上げられた日本の殺人鬼「スピリット」(山岡 凜)ですが,どのような経緯で開発されたのでしょうか。
Cote氏:もともと,「日本をテーマにしたチャプターを作りたい」という思いがありました。そこで日本のコミュニティに,どういうキラーが欲しいかと,投げかけてみたんです。すると,「リング」の「貞子」や「呪怨」の「伽椰子」といった答えが返ってきました。我々は,それを研究し,さらに深掘りをしていったことで,今の山岡 凜が生まれました。
4Gamer:映画などの作品とのコラボで誕生したキラーもいますが,今回も,貞子や伽椰子をそのままゲームに持ってくるということは考えませんでしたか。
Cote氏:考えはしましたが,結果的に自分達でオリジナルを作ったほうが面白くなるだろうと思いました。もちろんライセンスオーナーの人達からお声がけいただければ,一緒に検討していきたいですし,将来実現するかもしれません。
4Gamer:スピリットである山岡 凜は,父親に虐待されて殺されたという悲惨な過去を持ちますが,こういったストーリーは,ほかの作品を参考にしたりしているのでしょうか。
Cote氏:とくにインスピレーションを受けた作品はないです。いわゆる復讐ものはよくある話ですし,父親から虐待を受けて殺されるというのも現実にありえる話だと思ってます。
鬼(山岡崋山)との関係
崋山は凜のひいひいひいひいひいおじいさんにあたります。崋山は自身の所業によりエンティティの歓心を買ってしまい、山岡の家系を永遠に呪われたものにすることになりました。
まとめ
以上、スピリットについてでした。
今後、日本のホラー作品からキラーがそのまま出ることもあるかもしれませんね。
他キラーの過去が気になる方は「キラーの過去、元ネタ、素顔など紹介」へ
AmazonにはTシャツやパーカーなどの衣服や、マグカップやクッションなどの日用品、スマホケースなどたくさんのDbDグッズがあるので、是非一度ご覧になってみて下さい。